クラゲ水槽の導入実績
大阪市此花区西九条。港に近い町の一角に浜田医院はある。高知県で代々医院を営む家系に生まれた浜田廉夫院長先生は、現在大阪の西九条で浜田医院を経営されている。町を歩けば鳶職人らしき患者さんに声をかけられ大きな声で会話する先生は、いかにも“下町のお医者さん”といった印象だ。ちょうどバレンタインデーが近い時期にお話を聞きに伺ったのだが、初対面でいきなり「恋薬」と書かれたピンク色の薬袋を渡された。医院を訪れる患者さんのために考案されたチョコレートのプレンゼントだという。なんだかとてもアットホームでほっこりとした雰囲気の中でインタビューが始まった。
浜田医院の待合室。2008年よりその空間の片隅にクラゲの水槽は置かれている。
関西の情報番組「ちちんぷいぷい」のスタジオセットに使用されている想芸館のクラゲをテレビでご覧になり、ユーモラスな動きに惹かれてすぐに導入を決意されたそうだ。
クラゲの水槽は浜田先生が思い描いたとおり、診察を待つ患者さんたちの気分を和ませ、室内の空気を活性化してくれるという。「大阪の人間はせっかちですからね。待ってもらっている間も何か工夫しないと」と笑う先生は、診察はもちろん、患者さんとの何気ない挨拶や会話、スタッフの声のトーンなどあらゆることに気を配っておられる。患者さんの様子を伺いながら、ときには診察とまったく関係ない話題に触れたり、あえてご自身ではなく受付の女性スタッフに話を聞いてもらったりと様々に工夫しながら患者さんの心を開いていく。患者さんから素直に語られる言葉にこそ、病気の症状や原因を探る手がかりがあるのだそうだ。
患者さんからは「クラゲの動きを見ていると楽しい気分になる」「不思議に癒される」などたくさんの嬉しい反応があるという。
中には「先生、以前須磨の水族館で見たクラゲと比べても、ここのクラゲはとても作り物とは思えませんね」と話してくださった方もいたそうだ。こうした診察前のちょっとした雑談が患者さんとの対話をスムーズにしてくれるのだという。
先に触れたバレンタインデーのプレゼントもそうだが、先生はいつも患者さんの心を和ませるために知恵をしぼり、患者さんと上手にコミュニケーションをとる方法を模索している。
そんな先生の患者さんへの心遣いと愛情が“待合室にクラゲを置く”という発想につながったのだと思った。
浜田医院は浜田先生をはじめ他のスタッフさんも皆明るく、院内には温かで清々しい雰囲気が溢れている。
願わくば想芸館のクラゲも、単なるオブジェとしてではなく浜田医院のいちスタッフとしてそこにあって欲しい…そんな思いが込み上げてきた。
〈想芸館 奥田エイメイより〉
浜田医院様の水槽のメンテナンスでは、いつも事務長様やスタッフの皆様にご対応いただいていました。実は今回、院長先生とお話しさせていただくのは初めてでしたが、快く長時間のインタビューに応えていただきました。
体調が思わしくなくても、なかなか病院には進んで行こうという気持ちになれないものですが、浜田先生になら相談してみようかという気持ちになるのではとふと感じました。病気の小さなサインを見逃さないよう、患者さんに心を開いて話してもらえる雰囲気作りを大切にしておられるというお話を聞かせていただきました。
水槽のメンテナンスをしていて、いつも感じていたのですが、事務長様はじめスタッフの皆さんが、患者さんに優しく声掛けされているのが印象的な病院です。まずは待合室でクラゲを見てリラックスしていただいてから診療にはいっていく。想芸館の水槽が少し役立たせていただいているのかなと感じられてうれしくなりました。
interviewer:satori design
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